不倫の恋の結末には、悲劇が伴うものだ。「墓場まで持っていく」と覚悟をしたところで、 “不貞”という罪の意識に抗えない“何か”が作用し、いくら偽ったところでほころびが生じてしまう。今回の『アラクオ』第9話では、24歳の明日美(工藤遥)が本気で恋をした既婚者・正(平岡祐太)との恋の結末がリアルに、そして壮絶に描かれた。
「今のうちっていつまで続くんだろう」 正に会えない日が続き、ヤキモキしながらも早苗(美山加恋)の恋愛相談には親身に話を聞いていた明日美は、えみ(須田亜香里)に日常的に“浮気を隠す”という嘘をつき、逢瀬を重ねてきた正に対しても「私には絶対に嘘をつかない」と信じ切っていた。だが、“今のうち”は突然、終わる。
久しぶりで唐突な正の来訪に、思わず舞い上がる明日美。だが、そこにいたのは、正と穏やかに微笑む妻のえみだった。その笑みに一気に戦慄する明日美。3人はカフェへと場所を移し、えみは穏やかに明日美を問い詰めていく。
「主人とは何回セックスをしましたか?」
「主人のことは好きですか?」
「私はこの人と別れてもいいと思っています。あなたはどうしたいですか?」 慰謝料請求に向けた3者での話し合いの進め方も完璧だ。えみは、この日を迎えるまでに、明日美を夫の不倫相手と目星をつけ周到に調べてきた。明日美には言い訳のしようがないほどに。
「私は、別れてほしくないです――」
精一杯の言葉を振り絞る明日美に対して、一度たりとも目を合わさない正。えみに対して以上に、修羅場を迎えて初めて見せた正の本性にこそ、明日美は打ちひしがれた。
「25歳ってもう大人でしょ。自分で起こした問題くらい、自分でけじめをつけて」
えみに水を向けられた明日美は、土下座で謝罪をするのだった。明日美は、不倫の恋の終わりなって、はじめて正の本性(嘘)を思い知る。
これまで、事あるごとに明日美にサインを送っていたのは洋一(吉澤要人)だった。えみが「NONKI」に来ていること、明日美のSNSをチェックしていること、そして、妊娠していることも。そのたびに、19歳の洋一を子ども扱いしては聞く耳を持たなかった明日美。だからこそ、周囲をはばからず公園で号泣する明日美に、通りすがった洋一がヘッドフォンをそっと着けるシーンは印象的だった。さりげなく行き交う人々の目隠しになるように移動し、言葉で伝わらない想いを音楽で届ける洋一に、明日美は何を感じただろう。
そして、康祐(佐藤大樹)に対して、すべてを見透かされ「女として見られていない」と感じていた早苗は、優しく接してくる態度に「その感じがイヤなの!」と泣きながら感情をぶつける。覚悟を決めて康祐を誘った早苗には、康祐の振る舞いが取り繕っているようにしか見えない。
「だから、ごめん」
涙声の早苗に対して、どうすることもできない康祐…その心根には本気で好きだからこそ伝えることのできない惑いが、いまだ漂っているようにも、映る。 『around1/4(アラウンドクォーター)』は、毎週日曜よる11時55分のドラマL枠(テレビ朝日は毎週土曜深夜2時30分)で放送中。原作は、世界累計4300万DLを突破した漫画アプリ「comico」で連載された作家・緒之の同名WEBTOON作品。
<ニノマエヒビキ>
不倫の恋の結末に待っていた壮絶展開! 不倫相手・明日美を好演する工藤遥と、サレ妻・えみを怪演する須田亜香里の修羅場バトルに戦慄するドラマ『around1/4』を無料配信中